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すごいぞ!杭州⑪
名物料理 トンポーローは焼き豚の元祖
中華料理といえばシュウマイ、餃子、肉まん、酢豚、回鍋肉など日本でもおなじみの料理が思い浮かびますが、実は地域によって随分とバリエーションがあります。杭州料理は大きくは江南料理に分けられ、中華料理の中では比較的あっさりしていて、辛くないのが特徴です。食材として川や池などの淡水の魚介類がよく使われます。今回は杭州の名物料理をいくつか紹介します。
まずは、東坡肉(トンポーロー)です。色が濃いわりに塩気は少なく、余分な油がないためあっさりしています。トンポーローはいわゆる豚の角煮で、この料理を考案した蘇東坡さんの名前をとってこのように呼ばれます。現在の中国では、豚の角煮は紅焼肉と呼ばれ、よく食べられていますが、これはその元祖に当たります。中国では豚肉は皮付きで売られているため、この角煮も皮付きです。トンポーローは蒸したパンの様な馒头
(まんとう)にはさんで食べます。隣の紹興では、これに梅干菜と呼ばれる乾燥させた野沢菜のようなものと合わせて食べるのですが、これも絶品です。
次は西湖醋鱼(シーフーツーユイ)で、西湖で取れた魚の煮物です。酢で煮てあるので、川魚特有のくさみがなく、さっぱりとしています。西湖湖畔にある杭州料理の老舗、楼外楼(ろうがいろう)の名物料理で、注文すると人数に合わせた大きさの魚を生簀(いけす)から出して料理してくれます。
次は龍井蝦仁(ロンジンシャーレン)で、海老のむきみと龍井茶の炒め物です。一緒に炒めるお茶はその季節に取れるものを使うので、爽やかな香りが楽しめます。使われているのは川の海老のようで、海のものより小ぶりです。 最後は片儿川(ピンアーチュアン)で、杭州を代表する麺料理です。入っているのは豚肉の切れ端にシイタケ、筍です。食材の出汁がよくきいていて、田舎のうどん屋さんで食べられそうなさっぱりした味の麺です。
いかがでしたか。杭州料理は日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、中国八大料理の一つともいわれています。食材の味を生かしていて、日本人でも食べやすいです。機会があれば、ぜひ召し上がってください。
すごいぞ杭州!⑩
世界遺産にも登録された名所 西湖(せいこ)
番号が飛びますが、最新のものを先に掲載します。
西湖は杭州市街地の西に位置し、中国でもよく知られた名所です。絵画のような風景の素晴らしさで、中国十大風景名勝の一つに数えられ、「西湖十景」と呼ばれる絶景スポットが点在します。詩人蘇東坡(そとうば)が春秋時代の美女西施(せいし)にたとえたことから西湖と呼ばれるようになったといわれています。西湖の西側は杭州一の繁華街で、高級ホテルや百貨店、時代の最先端を扱う専門店があります。またレトロな街並みを再現した河坊街(かぼうがい)もあります。東側には中国を代表する緑茶である「龍井茶(ろんじんちゃ)」で有名な龍井村があるなど、まさに杭州の中心に西湖がある、といった感じです。
現在の西湖畔は散歩やランニングをしたり、景色を楽しんだりする人でいつも賑わっていますが、かつては生活排水の影響で水質が悪化、流れ込んだ土砂や泥が湖底にたまり、水草が生い茂るなど荒廃が進みました。戦後、数回にわたる大規模な整備が行われ、西湖総合保護プロジェクトによって、今の姿に生まれ変わりました。湖底から集められた大量の土砂は「江洋畔生態公園」として整備され、水質が改善されたことによって、水中をただよう水草や魚の姿が見られるようになりました。西湖は2011年に世界文化遺産に登録されましたが、西湖の自然環境と景観を保護する取り組みが評価された成果ともいえそうです。
中国では観月と言えば西湖といわれており、満月が一年で最も美しいとされている中秋節には、西湖の月を楽しもうと多くの観光客が訪れます。湖面に浮かべた船からは二つの月が見られます。一つは夜空に浮かぶ月、もう一つは湖面に浮かぶ月です。また、西湖の中ほどに田の字型の小島があり、別名を三潭印月(さんたんいんげつ)と言います。この島の南に三つの石灯籠が立っているのですが、中秋の名月にはこの石灯籠に火がともります。月と、湖面にうつる月、灯篭をセットで楽しめるのは中秋節だけなので、それを目的に遊覧船に乗る人たちで深夜まで賑わいます。
すごいぞ杭州④
すごいぞ杭州! 第4回 支払いは現金よりもスマホ
中国で生活する際は、まず銀行口座をつくることと、スマホの契約をすることが必要です。その理由は、中国ではスマホアプリでの支払いが一般的だからです。アプリは銀行口座と連動しており、デビットカードのような感覚でお金を支払えます。お金の送金もメッセージを送るように簡単に行えます。一番便利だなと思ったのは料金を何人かで割り勘する場面です。金額は少数第2位まで入力できるので、きっちり割りたい人にもうれしいですね。中国全体では「Wechat(微信)」というアプリを使った決済が主流ですが、杭州では、ここを拠点とする大手IT企業のアリババグループ(阿里巴巴集団)のアプリである「alipay(支付宝)」が主に使用されています。アリババグループはインターネット通販サイトの「taobao(淘宝)」を運営しており、11月11日のセールで世界的に有名になりました。日本のテレビ等でもセール際の売上高が大きく取り上げられて報道されていたので、知っている人もかもしれません。
中国では、コンビニやスーパーなどの店舗はもちろんのこと、レストランでも座席にあるQRコードを読み取って商品を注文し、食事が終わったら、そのまま支払いもアプリで済ませることができます。それ以外にも路上販売や自動販売機、はてはお寺のお賽銭までスマホ決済です。自動販売機の中には、ショーケースから取り出した商品を自動的に読み取って清算してくれるものもあります。スマホ決済がすすんだことで、お金を支払うことが圧倒的に楽になりました。小銭があるかどうかを気にする必要もありませんし、食事の宅配サービスや食品の配送サービスで家にきた配達員の人ともお金のやり取りをする必要もありません。
スマホを使った支払い方法は日本でも広まって欲しいと思います。
中国ではスマホ決済を推進しているようで、お年寄りの方も、スマホを片手に支払いをしています。現金で支払うとお札は入念にチェックされます。ここまでスマホ決済が広まった背景には、偽札の問題があったのかもしれません。
すごいぞ杭州!③
すごいぞ杭州! 第2回 杭州はシルク、衣服の生産が盛ん
杭州はシルク製品が有名で、シルク城と呼ばれる区画にはたくさんのシルク専門店が並んでいます。シルクの製品の質は様々で、手軽に買えるハンカチのようなものから、非常に高価なドレスまでいろいろな製品が扱われています。安く買えるものはそれなりの品質のものなので、良いものを安く買おうとすると、体力と中国語力が必要になってきます。また、杭州は繊維関係の生産も盛んです。衣服の市場に行くと、たくさんの問屋さんがあり、そこで買い付けされた服は店舗やインターネット通販を通して世界中で販売されています。ここから日本の大手服飾会社に送られる製品もたくさんあり、日本でよく見かけるブランドのB級品が格安で手に入る即売会なども時々開催されています。
杭州には「江南衣布」というアパレル企業があり、レディースブランド「JNBY」をはじめ、「速写」、「LESS」などのブランドを展開しています。独自性の高いあるデザインで中国国内でも人気ですが、日本でも少しずつ取り扱われるようになってきたようです。江南衣布が開発した、本社ビルを構える商業複合施設「天目里」に蔦屋書店の中国大陸1号がオープンしたことが日本でも話題になったようです。ぜひ、「JNBY」に注目してみてください。
すごいぞ杭州②
第2回 路上から百貨店まで店舗の形は様々
杭州では路上で野菜やお菓子を売る人がいます。市場では新鮮な野菜や魚、肉が手に入ります。もちろん日本のようなスーパーマーケットもあります。日本の場合はすでにパック詰めされたものが多いですが、こちらは生鮮食品を売る場合、量り売りが中心となります。欲しい野菜や果物をもって行くと、係の人が重さを量って値段をつけてくれます。鶏肉や豚肉は日本と異なり骨付きの肉で売られることが多く、こちらで生活し始めた時は調理方法に悩みました。いわゆる胸肉のパックやモモ肉のパックのようなものは、最近見かけるようになってきました。日本でおなじみのイオンも杭州には1店舗あります。コンビニは日本よりもたくさんあります。おなじみのファミリーマートやローソンのほか、中国オリジナルのコンビニもあります。百貨店やアウトレットもあり、雰囲気は日本の店舗の様子とよく似ています。週末になると買い物を楽しむたくさんのお客さんで賑わっているところも同じです。